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京の町家のおばんざい歳時記
12月

行事ごとに伝統的な献立をご紹介させて頂きます。家ごとに少しずつ異なったり、もうすたれてあまり家庭では作られなくなったものや、記憶にあるなつかしい料理等も含まれています。
京町家意匠会議(髙橋、髙橋、藤田、吉竹、吉井)

1日~26日 南座顔見世

幕合いにいただく食事は、館内のお食事処に予約しておいたり、幕の内弁当を持ち込んだりします。

ひと昔前は、弁当箱、取り皿、お箸、酒器一式、簡単な携帯茶器のセットなど、観劇用にコンパクトな道具が用意されていました。

当時使われていた弁当・酒器セット

7日 ~ 10日 千本釈迦堂、鳴滝了徳寺の大根だき

中風と厄除けのおまじないで、両寺において炊き出しがあります。 この頃になると、丸大根も長大根もおいしくいただけます。

8日 針供養

1年間にたまった折れ針や曲がり針をこんにゃくに刺して針をねぎらいます。
この日にちなんで、数種のこんにゃく料理を作りました。
※こんにゃくは先に茹でておきます。

13日 事始め

日頃、お世話になっている家へ鏡餅を持参して挨拶します。 最近では、鏡餅は花街以外は廃れ、お歳暮品にとって代わり、訪問挨拶も省略、百貨店などの配送便を利用するのが大勢となってしまいました。

この日から商家では、正月準備が始まり、神事関係の品々や正月用品を買い整えたり、手まわしよく掃除を始めたりします。
南座の顔見世は別として、旅行、遊興もご遠慮したものです。

20日頃 冬至

この日はゆず風呂に入って無病息災を念じます。
また、運、鈍、根の語呂合わせとして「ん」のふたつつく食物を7つ揃えて、神棚に供えたあと、翌日この具材を短冊に切ってお汁にしていただくという風習が花街にはまだ残っているそうです。
なんきん、ぎんなん、きんかん、にんじん、れんこん、うんどん(うどん)、はんぺん、かんてん、あんぱん など
※なんきん(かぼちゃ)を食べるのは一般的です。

年末の忙しい時期

寒いこともあって、買い物がおっくうでももう1品加えたいとき、冷凍のきくおあげを使った料理は手軽で便利。
イソフラボンも豊富で体にもよろしい。

28~30日 おもちつき

昔はご近所や親類が大勢集まって、それぞれ分担を定めたおもちつきが年末の一大行事でした。 もちつき機が販売されだしてからは、家族2人も揃えば、簡単に短時間で出来るようになり、それも面倒で「餅は餅屋」で頼む家庭もあります。

29日は「苦憑く(くつく)といって、この日を避ける家と、「苦突く」とばかりこの日に行う家と、縁起かつぎのこだわりはいろいろのようです。

つきあがったおもちは、まず神棚に供える鏡餅として一組、三宝さん用に三段重ねを一組、そのあと佛壇、井戸、走りもと、お便所、お風呂等にも輪飾りのおしめ縄や御燈明、お神酒とともに小さなお鏡さん(星つきさん)を供える家もあります。

つきたての白餅は、きなこや大根おろしや納豆をつけてその場でいただきます。
前もって用意しておいた餡を包んだり、よもぎを混ぜたりして「こころみ」を作り、ご近所や知人に配ったりもします。

29~31日 正月料理の用意

お正月の雑煮や、組重の料理の材料の買い物や下ごしらえからはじまり、調理、重詰までを手際よく仕上げます。
雑煮用として鍋に水と板昆布を入れてだし汁を用意しておきます。

料理・作り方は、「京都のお正月料理」をご参考ください。

31日 おけら参り

お正月の準備の最後の行事として、雑煮調理用の種火を祇園さん(八坂神社)へいただきに参ります。
吉兆縄におけら灯籠から浄火を受けます。縄の先の火種が消えないように縄を回しながら帰ります。

火の用心のために最近では帰ったらすぐにガスに点火し、雑煮用に準備にしてあるだし汁を少し暖めておきます。

町家暮らしの知恵を拝借

おばんざいのレシピや暮らしの知恵をご提供いただいている方々をご紹介致します。

京の町家 暮らしの意匠会議

京町家に伝わる知恵を今に伝えるべく活動されています。NHKの「ためしてガッテン」にも出演されました。

京の町家 暮らしの意匠会議

料理研究家 杉本節子

京町家で高名な杉本家に伝わるおばんざいを継承。料理研究家としても活躍されています。

料理研究家 杉本節子